はじめに
「遺言書を書いたほうがいい」とよく聞くけれど、具体的にどんな問題が起こるのか、いまいちピンとこない方も多いのではないでしょうか?
実は、遺言書がないと相続手続きがスムーズに進まなかったり、相続人同士で争いが起こるリスクが高まります。
この記事では、遺言書を書くべき6つの理由 を解説し、スムーズな相続手続きを実現する方法をお伝えします。
遺言書がないと相続手続きが大変に!
遺言書がない場合、相続手続きには相続人全員の実印と印鑑証明書が必要になります。これは、法定相続人が1人だけなら問題ありませんが、以下のようなケースでは遺言書があった方がスムーズに進みます。
✅ 相続人同士で意見がまとまりそうにない ✅ 配偶者に多くの財産を渡したい ✅ 子どもがいない ✅ 前の配偶者との間に子がいる ✅ 相続人の中に認知症の人がいる ✅ 相続人でない人に財産を渡したい
遺言書を作成することで、これらの問題を未然に防ぐことができます。
遺言書を書くべき6つのケース
1. 相続人同士の話し合いがまとまりそうにない場合
相続人同士でスムーズに遺産分割の話し合いができれば良いのですが、以下のような状況があると揉める可能性が高くなります。
🔹 介護をしていた相続人がいる 🔹 生前に一部の相続人だけが贈与を受けた 🔹 主要な財産が自宅不動産のみ 🔹 相続人の配偶者が口を出しそう 🔹 売れない土地(農地・辺境地など)がある 🔹 会社の株式が含まれている
こうした場合、遺言書があれば遺産分割の方針が明確になり、不要な争いを防ぐことができます。
2. 配偶者に多くの財産を渡したい場合
例えば、配偶者と子どもが1人いる場合、法定相続分は 配偶者1/2・子1/2 となります。
しかし、配偶者が高齢で子どもがまだ働いている場合、配偶者の生活資金を確保するために配偶者に多くの財産を残したい こともあるでしょう。
遺言書があれば、「配偶者に全財産を相続させる」ことも可能です。ただし、法定相続人である子どもには「遺留分」として 法定相続分の1/2 × 1/2 = 1/4 が保証されているため、子どもが遺留分を請求する可能性があることも考慮しましょう。
3. 子どもがいない場合
子どもがいないと、相続人は 配偶者+直系尊属(親)または兄弟姉妹 となります。
親が存命であれば親が相続人になり、親がすでに亡くなっている場合は兄弟姉妹が相続人になります。
特に、配偶者の兄弟姉妹とは日頃あまり交流がないケースも多く、相続の話し合いがまとまらずトラブルに発展する可能性 があります。
遺言書があれば、配偶者に全財産を相続させることが可能で、兄弟姉妹には遺留分の権利がない ため、後から財産を請求される心配もありません。
4. 前の配偶者との間に子がいる場合
相続が発生して戸籍をたどると、「知らなかった血縁者」が相続人として出てくることがあります。
例えば、前の配偶者との間に子がいた場合、その子も法定相続人となり、現在の家族と同じ相続権を持つことになります。
この場合、遺言書がないと話し合いが難航する可能性が高い ため、あらかじめ遺言書を作成しておくことが重要です。
5. 相続人の中に認知症の人がいる場合
相続人に認知症の人がいると、遺産分割協議ができません。
認知症の相続人がいる場合、家庭裁判所で成年後見人を選任する必要があります。成年後見人がつくと、遺産分割の話し合いが非常に制約され、費用も発生するため、手続きが煩雑になります。
こうした事態を防ぐためにも、遺言書を作成しておくことが重要 です。
6. 相続人でない人に財産を渡したい場合
法定相続人以外の人に財産を渡したい場合、遺言書がないと相続する権利はありません。
例えば、
✅ 内縁の配偶者 ✅ 養子縁組していない配偶者の連れ子 ✅ 特別にお世話になった人
こうしたケースでは、遺言書で明確に財産の分配を指定することが必要 です。
遺言書の種類と選び方
遺言書には以下の2種類があります。
📌 自筆証書遺言
📌 公正証書遺言(おすすめ)
自筆証書遺言は手軽に作成できますが、書き方を間違えると無効になったり、争いの原因になる可能性があります。
そのため、確実に遺言を残したい場合は、公証役場で作成する 公正証書遺言 をおすすめします。
まとめ
遺言書を作成することで、相続手続きがスムーズになり、相続人同士の争いを防ぐことができます。
✅ 「自分には関係ない」と思わずに、早めに遺言書の準備を進めましょう!
遺言書の作成や相続手続きについて不安がある方は、お気軽に専門家にご相談ください。